スズキから登場した新型クロスビーは、デザインや性能が大幅に進化し、多くの注目を集めています。しかし、グレードは主に2種類とシンプルな構成だからこそ、どちらを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
特に、クロスビーのグレードの違いについて詳しく知りたいけれど、情報が多くてよく分からないと感じている方も多いのではないでしょうか。せっかく購入するなら、後悔のない選択をしたいものです。
この記事では、そんなあなたの疑問を解決するため、新型クロスビーのベースグレード「HYBRID MX」と上級グレード「HYBRID MZ」の違いを、価格や装備、デザインなど様々な角度から徹底的に比較・解説します。最後までお読みいただくことで、ご自身のカーライフに最適なグレードが明確になり、自信を持って一台を選べるようになるはずです。
- 新型クロスビーの主要な変更点
- MXとMZグレードの具体的な装備の違い
- どちらのグレードが自分に合っているか
- 購入後に後悔しないための注意点
新型クロスビーのグレードの違いを徹底比較

- モデルチェンジで進化したポイント
- 主要なMZとMXの違いを一覧で確認
- 価格と燃費の差はどのくらい?
- 外観デザインの違いをチェック
- 内装と質感の違いを比較
モデルチェンジで進化したポイント
今回の新型クロスビーは、マイナーチェンジという位置づけでありながら、実質的なフルモデルチェンジと言えるほど大幅な進化を遂げました。ここでは、その進化したポイントを具体的に掘り下げていきます。
エクステリアデザインの刷新
まず目を引くのが、よりSUVらしい力強さをまとったエクステリアです。従来の丸みを帯びた可愛らしい印象から一新され、ボンネットを水平基調に、フロントマスクの厚みを増したデザインへと変更されました。これにより、存在感が大きく向上しただけでなく、運転席からの視界も改善。ボンネットの先端が見やすくなったことで、狭い道での車両感覚が掴みやすくなるという実用的なメリットも生まれています。
インテリアの質感向上と利便性
インテリアも質感が劇的に向上しました。特にインパネ周りは全面的に見直され、立体的で上質なデザインへと進化。落ち着いたブラウン基調のカラーリングとブラックの装飾パネルが、高級感のある落ち着いた空間を演出します。また、新たに運転席と助手席の間に2段式のセンターコンソールが追加されたことで、スマートフォンの置き場所など、日常の使い勝手も大きく向上しています。
新パワートレインによる燃費向上
走りの中核を担うパワートレインは、従来の1.0Lターボエンジンから、燃費性能に優れた1.2Lマイルドハイブリッドへと刷新されました。これにより、WLTCモードで22.7km/L(2WD車)という優れた燃費性能を実現しています。近年、ガソリン価格は高止まりの傾向にあるため、燃料代を約20%以上も節約できるこの変更は、家計にとって非常に大きな魅力と言えるでしょう。(参照:スズキ株式会社 クロスビー公式サイト 走行・環境性能)
先進安全技術「スズキ セーフティ サポート」の進化
安全装備や運転支援機能も大幅に拡充されました。衝突被害軽減ブレーキは、従来の「デュアルカメラブレーキサポート」から、検知対象を拡大した「デュアルセンサーブレーキサポートII」へと進化。車両や歩行者に加え、自転車や自動二輪車も検知可能になり、交差点での右左折時にも対応するなど、安全性が格段に高まっています。
進化したポイントまとめ
デザイン、内装、パワートレイン、安全性能の全てが大きくアップデートされ、商品力が格段に向上しています。まさに「小さな高級車」と呼ぶにふさわしい進化です。
主要なMZとMXの違いを一覧で確認

それでは、HYBRID MZとHYBRID MXの具体的な装備の違いを見ていきましょう。2つのグレードの主な違いを以下の表にまとめました。どちらのグレードがご自身の使い方に合っているか、この表を見ながらじっくり比較検討してみてください。
装備 | HYBRID MZ (上級) | HYBRID MX (ベース) |
---|---|---|
電動パーキングブレーキ | 標準装備 | 設定なし |
アダプティブクルーズコントロール(ACC) | 全車速追従・停止保持機能付 | 追従機能のみ (停止保持なし) |
ステアリングヒーター | 標準装備 | 設定なし |
アダプティブハイビームシステム | 標準装備 | ハイビームアシスト |
ヘッドランプ | LED | ハロゲン |
アルミホイール | 16インチ (切削加工&ブラック塗装) | 16インチ (フルホイールキャップ) |
ステアリングホイール | 本革巻き | ウレタン |
パーソナルテーブル (後席) | 標準装備 | 設定なし |
ガラス | プレミアムUV&IRカット (フロントドア) | UVカット機能付 |
このように、上級グレードのMZには、日々の運転を快適かつ安全にしてくれる装備が数多く標準で備わっていることが分かります。特に電動パーキングブレーキやACCの機能差は、運転の疲労度に大きく関わる重要なポイントです。
価格と燃費の差はどのくらい?
装備が充実している分、気になるのが価格の差ですよね。HYBRID MZとHYBRID MXの車両本体価格(2WD)と燃費性能を比較してみましょう。
項目 | HYBRID MZ (上級) | HYBRID MX (ベース) | 差額 |
---|---|---|---|
車両本体価格 (2WD・税込) | 2,335,300円 | 2,157,100円 | 178,200円 |
燃費 (WLTCモード・2WD) | 22.7km/L | 22.7km/L | 差なし |
価格差は約18万円です。パワートレインは共通のため、燃費性能にグレード間の違いはありません。この約18万円の価格差を、前述の装備の違いと照らし合わせてどう判断するかが、グレード選びの重要なポイントになります。近年の自動車価格は、原材料費や輸送費の高騰により上昇傾向にありますが(出典:一般社団法人 日本自動車工業会)、クロスビーの価格設定は装備の充実度を考えると、非常に戦略的と言えるでしょう。
外観デザインの違いをチェック

エクステリアデザインにも、グレードによる違いがいくつかあります。ぱっと見の印象を大きく左右する部分ですので、細かくチェックしていきましょう。
足元の印象を決定づけるホイールデザイン
最も分かりやすいのは、足元のアルミホイールです。MZでは切削加工とブラック塗装が施された、立体的でスタイリッシュなデザインの16インチアルミホイールが標準装備されます。一方、MXでは同じ16インチながらスチールホイールに樹脂製のフルホイールキャップが装着される仕様です。デザイン性の高いMZのホイールは、車全体の高級感を大きく高めてくれます。
細かな加飾による上質感の演出
他にも、ドアハンドルがMZでは高級感のあるメッキ加飾付きになるのに対し、MXではボディ同色となります。また、フロントグリルなどの細かなパーツにもメッキ加飾が効果的に使われており、MZの方がより上質で引き締まった印象を与えます。こういった細部の違いが積み重なり、全体の満足度に繋がってきます。
内装と質感の違いを比較

内装に目を向けると、外観以上に質感や利便性の違いを感じることができます。毎日触れる部分だからこそ、こだわりたいポイントです。
触れる部分の素材と装備
MZのステアリングホイールは手触りの良い本革巻きで、寒い日に重宝するステアリングヒーターも内蔵されています。シフトノブにもメッキ加飾が施されるため、運転中の満足感を高めてくれるでしょう。一方、MXはウレタン素材となり、ステアリングヒーターの設定もありません。
後席の快適性とガラスの性能
後席の快適性に影響する装備として、MZにはパーソナルテーブル(後席左右)が標準で備わります。これはドライブ中の飲食時などに非常に便利で、特に小さなお子様がいるファミリー層には嬉しい装備と言えるでしょう。MXにはこの設定がありません。さらに、MZのフロントドアガラスには、日焼けの原因となる紫外線(UV)だけでなく、肌のジリジリ感の原因となる赤外線(IR)もカットする「プレミアムUV&IRカットガラス」が採用されており、夏のドライブをより快適にしてくれます。
後悔しないクロスビーのグレードの違いと選び方

- ベースグレードMXはどんな人向け?
- 上級グレードMZがおすすめな理由
- 安全装備と運転支援機能の差
- 後悔しないための装備選びの注意点
- あなたに合うクロスビーのグレードの違いとは
ベースグレードMXはどんな人向け?
結論から言うと、ベースグレードのHYBRID MXは、「とにかく初期費用を抑えたい」という方や、「基本的な装備があれば十分」と考える方向けのグレードです。例えば、セカンドカーとして近所の買い物や送り迎えがメインで、高速道路はほとんど利用しないといった使い方であれば、MXでも十分に満足できる可能性があります。
衝突被害軽減ブレーキなどの基本的な安全装備や、寒い日に嬉しいシートヒーター(運転席・助手席)、フルオートエアコンといった快適装備はMXでも標準で備わっているため、実用上で大きな不満が出ることは少ないでしょう。
MXの注意点
ただし、後から追加できない電動パーキングブレーキや、長距離運転の疲労を大きく左右する停止保持機能付きのACCは装備できません。これらの機能の必要性をよく考えてから選択することが大切です。また、ヘッドランプがハロゲン仕様となるため、夜間の視認性を重視する方は、より明るいLEDヘッドランプを標準装備するMZを検討することをおすすめします。
上級グレードMZがおすすめな理由

多くの方にとって、そして長期的な満足度を考えるならば、上級グレードのHYBRID MZが断然おすすめです。前述の通り、MXとの価格差は約18万円ですが、その価格差を上回る価値のある魅力的な装備が満載です。
MZを選ぶべき最大の理由
MZを選ぶ最大のメリットは、なんといっても電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が装備される点です。信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持してくれるこの機能は、渋滞時や街乗りでの疲労を劇的に軽減してくれます。一度体験すると手放せなくなるほど便利な機能であり、これだけでもMZを選ぶ価値は十分にあると言えます。
その他にも、ステアリングヒーターや質感の高い内外装、便利な後席パーソナルテーブルなど、所有する喜びと日々の快適性を高めてくれる装備が充実しています。追加される装備の価値を金額に換算すると約22万円に相当すると言われており、コストパフォーマンスの面でも非常に優れたグレードなのです。また、装備が充実している上級グレードは、数年後に車を売却する際のリセールバリュー(下取り価格)も高くなる傾向があるため、トータルで考えると非常にお得な選択と言えるでしょう。
安全装備と運転支援機能の差
安全性能を重視するなら、やはりMZに軍配が上がります。基本的な衝突被害軽減ブレーキは両グレードに標準装備されていますが、運転支援機能に明確な差があります。スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」の恩恵を最大限に受けるならMZが最適です。
快適性と安全性に直結するACCの機能差
特に高速道路を走行する機会が多い方は、MZに搭載される「全車速追従機能・停止保持機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)」の恩恵を大きく感じられるはずです。先行車が停止すれば合わせて停止し、その状態を保持してくれるため、高速道路の渋滞などでの運転が格段に楽になります。MXのACCは停止保持機能がないため、先行車が停止すると、約2秒後にブレーキが解除されてクリープ走行を始めてしまうため、ドライバーがブレーキを踏む必要があります。
夜間運転の安心感を高めるヘッドライト機能
さらに、夜間走行の安全性を高める「アダプティブハイビームシステム」もMZのみの装備です。これは、対向車や先行車を検知すると、ハイビームの照射範囲を自動で調整してくれる機能です。常に良好な視界を確保しつつ、他車に眩しい思いをさせることがないため、気兼ねなくハイビームを活用できます。MXに搭載される「ハイビームアシスト」は、ハイビームとロービームを自動で切り替えるのみの機能となります。
【ライターの視点】
運転支援機能は、一度その便利さを知ってしまうと、もう元には戻れないと感じるほどです。特に渋滞の多い都市部にお住まいの方や、週末に高速道路で遠出をする方にとっては、MZの運転支援機能は価格差以上の価値をもたらしてくれるでしょう。
後悔しないための装備選びの注意点

グレード選びで後悔しないために、いくつか注意しておきたいポイントがあります。契約書にサインしてから「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、しっかり確認しておきましょう。
メーカーオプションの存在
MZグレードには、さらに魅力を高めるメーカーオプション「アップグレードパッケージ」が用意されています。これを選択すると、フロントガラスに走行情報を表示するカラーヘッドアップディスプレイや、質感と機能性を両立したレザー調&撥水ファブリックシートなどが追加されます。約7万円という価格設定は非常に割安なため、MZを選ぶならぜひ検討したいオプションです。視線移動が少なくなり、安全運転にも貢献します。
スズキコネクトの利用条件
スマートフォンでエアコンを操作したり、ドアの施錠確認ができたりする便利なサービス「スズキコネクト」(3年間無料)。これを利用するためには、メーカーオプションの「全方位モニター付メモリーナビゲーション」を装着することが必須条件となります。ディーラーオプションのナビや社外ナビではスズキコネクトは利用できないので、このサービスを使いたい方はナビ選びにご注意ください。
最も重要なのは、電動パーキングブレーキがMZ専用装備であるという点です。これは後付けが不可能な装備なので、「やっぱり付けておけばよかった…」という後悔をしないよう、試乗などを通じてその必要性を慎重に判断してください。

あなたに合うクロスビーのグレードの違いとは
最後に、この記事の要点をまとめます。あなたに最適な一台を見つけるための、最終チェックリストとしてご活用ください。
- 新型クロスビーは実質的なフルモデルチェンジ級の進化を遂げた
- グレードは主にMXとMZの2種類で構成される
- MXとMZの車両本体価格の差は約18万円
- パワートレインは共通で燃費性能はどちらのグレードも同じ
- 外観はスタイリッシュなアルミホイールやメッキ加飾がMZの特徴
- 内装は本革巻きステアリングや後席テーブルなどMZの質感が優れる
- 初期費用を最優先し近距離利用がメインならMXが選択肢になる
- ただしMXは電動パーキングブレーキが選べない点に最大の注意が必要
- ほとんどの人におすすめなのは上級グレードのMZ
- MZは電動パーキングブレーキと停止保持付きACCを標準装備する
- 運転の快適性と安全性が価格差以上に向上し満足度が高い
- MZは装備内容を考えるとコストパフォーマンスにも優れている
- MZには所有満足度をさらに高めるアップグレードパッケージも用意されている
- 後悔しないためには電動パーキングブレーキなど後付けできない装備の違いを正しく理解することが重要
- あなたの使い方や予算に合うクロスビーのグレードの違いを見極めて最適な一台を選ぼう
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