車の冠水はどこまで大丈夫?走行の危険性と対処法を解説

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車の冠水はどこまで大丈夫?走行の危険性と対処法を解説

ゲリラ豪雨や台風で道路が冠水した際、「自分の車はどこまで大丈夫だろうか」と不安になりますよね。少しの水位なら問題ないと思いがちですが、その判断が危険な状況を招くこともあります。安易に走行を続けると、車が水没して重大な故障につながるかもしれません。

この記事では、「車が冠水した場合、どこまで大丈夫なのか」という疑問に専門的な視点からお答えし、安全な対処法を解説します。

記事のポイント
  • 走行可能な水位の具体的な目安
  • 冠水した車に乗り続けることのリスク
  • 万が一の際に役立つ保険の知識
  • 安全を最優先するための正しい避難方法

車の冠水、どこまで大丈夫かという自己判断は危険

車の冠水、どこまで大丈夫かという自己判断は危険
ドメスティックカーライフ:イメージ
  • そもそも冠水しても車は走れる?
  • 冠水は何センチまでなら走行できますか?
  • 命に関わる!車が危険な水位は?
  • ハイブリッド車は冠水にどこまで耐える?
  • 車がどこまで浸かったら壊れますか?

そもそも冠水しても車は走れる?

結論から言うと、冠水した道路を車で走行することは極めて危険であり、絶対に避けるべきです。

たとえ短い距離であっても、水の中を走行すると車がコントロールを失ったり、エンジンが停止して立ち往生したりする可能性があります。見た目では浅そうに見えても、水中にはマンホールの蓋が外れていたり、側溝があったりと、見えない危険が潜んでいます。

「少しだけなら大丈夫だろう」という安易な考えが、車への深刻なダメージだけでなく、ご自身の命を危険に晒すことにつながるのです。

冠水路走行のリスク

冠水路を走行すると、ブレーキ性能の低下、電気系統のショート、エンジン停止など、予期せぬトラブルが発生する可能性が非常に高くなります。特に、他の車が立てた波を受けると、想定以上の水が車にかかることもあり危険です。

冠水は何センチまでなら走行できますか?

冠水は何センチまでなら走行できますか?
ドメスティックカーライフ:イメージ

どうしてもやむを得ず走行しなければならない状況を想定し、一般的な目安を解説しますが、これは安全を保証するものではないことを強く認識してください。

一般的に、車が問題なく走行できる水深の限界は、車の床面(フロア)に水が達しない程度と言われています。これは、セダンやコンパクトカーであればタイヤの半分以下の高さが目安です。しかし、SUVのように車高が高い車と低い車では条件が大きく異なります。

以下の表は、冠水レベルとそれに伴う危険性をまとめたものです。

冠水レベル(目安)危険度想定される主なリスク
タイヤの半分以下
(約20cm未満)
低~中・ブレーキ性能の一時的な低下
・マフラーから水が入り、エンジン不調になる可能性(低)
タイヤの半分以上
(マフラーが浸かる程度)
・マフラーから水が逆流し、エンジンが停止する可能性
・エンジンルームに水が浸入し、部品が故障するリスク
ドアの下端以上
(床面が浸水する程度)
非常に高い・電気系統がショートし、車両火災や感電の恐れ
・エンジンがウォーターハンマー現象で致命的に破損する可能性
・水圧でドアが開かなくなり、車内に閉じ込められる危険

この表はあくまで一般的な目安です。走行速度や対向車の波によって状況は大きく変わるため、タイヤの半分以下の水位でも安全とは限りません。危険を感じたら、すぐに車を止めて避難することが最も重要です。

命に関わる!車が危険な水位は?

車の故障だけでなく、ドライバーの命に直接関わる危険な水位は、ドアの下端に水が達したときです。

このレベルまで浸水すると、車外の水圧によってドアが内側からほとんど開かなくなります。特にスライドドアも同様に開かなくなるため、非常に危険な状態です。さらに水位が上がると、タイヤの浮力で車体が浮き上がり、流れに任せてコントロール不能に陥ることもあります。

もし車内に閉じ込められてしまった場合は、窓ガラスを割って脱出するしかありません。このため、緊急脱出用ハンマーを車内に常備しておくことが推奨されます。

窓ガラスを割る際の注意点

緊急脱出用ハンマーを使用する際は、フロントガラスではなく、サイドガラスを狙ってください。フロントガラスは合わせガラスという構造で、簡単には割れないように作られています。

ハイブリッド車は冠水にどこまで耐える?

ハイブリッド車は冠水にどこまで耐える?
ドメスティックカーライフ:イメージ

ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載しているため、冠水には特に注意が必要です。

もちろん、メーカーはバッテリー部分の防水対策を厳重に行っています。そのため、多少の水しぶきや浅い水たまり程度で即座に感電するようなことはありません。しかし、床面を超えるような浸水は想定されておらず、電気系統がショートして走行不能になったり、最悪の場合は車両火災につながる恐れがあります。

国土交通省も、浸水・冠水被害を受けたハイブリッド車や電気自動車について、以下のように注意を呼びかけています。

国土交通省からのアドバイス

浸水・冠水した車両は、外観上問題がなくても感電事故や電気系統のショートによる車両火災が発生する恐れがあります。自分でエンジンをかけず、むやみに触らないでください。使用したい場合は、販売店や整備工場に相談することが推奨されています。(参照:国土交通省

高電圧の部品はフロア下やシート下など、低い位置に配置されていることが多いため、ガソリン車以上に低い水位でも危険が伴うと考えるべきです。

車がどこまで浸かったら壊れますか?

車が致命的な故障に至るかどうかは、エンジンや電気系統といった重要部品に水が到達したかどうかが大きな分岐点となります。

エンジンへの水の浸入

最も警戒すべきは、「ウォーターハンマー現象」です。これは、エンジンの吸気口やマフラーから水が浸入し、エンジン内部が水で満たされた状態でエンジンを始動させることで発生します。

本来、空気は圧縮できますが、水はほとんど圧縮できません。そのため、ピストンが上昇して水を圧縮しようとすると、逃げ場のない強大な圧力がかかり、エンジン内部の部品(コンロッドなど)が折れ曲がったり、最悪の場合はエンジンブロック自体に穴が開いたりします。こうなると、エンジンの修理はほぼ不可能で、高額な交換費用が必要になります。

電気系統の故障

近年の車は多数の電子制御ユニット(ECU)でコントロールされています。これらの精密機器は水に非常に弱く、浸水するとショートしてしまいます。

パワーウィンドウやドアロック、エアバッグなどが作動しなくなるだけでなく、走行を制御する重要なシステムがダウンし、走行不能に陥ることも少なくありません。一度ショートした部品は交換が必要となり、修理費用が高額になる一因です。


車の冠水、どこまで大丈夫か知る走行後のリスク

車の冠水、どこまで大丈夫か知る走行後のリスク
ドメスティックカーライフ:イメージ
  • 車の冠水後エンジンかかる時の注意点
  • 車の冠水、どこまで大丈夫かJAFの見解
  • 冠水した車に乗れるかの判断はプロに
  • 中古車購入時に役立つ冠水車の見分け方
  • もし水没車を買ってしまった場合の対処法
  • 車の浸水は保険でどこまで補償される?

車の冠水後エンジンかかる時の注意点

冠水後、水が引いてからエンジンがかかったとしても、絶対に安心しないでください。エンジンがかかるからといって、そのまま乗り続けるのは非常に危険です。

内部に浸入した水分や泥は、すぐには影響を及ぼさないことがあります。しかし、時間が経つにつれて金属部品の錆や腐食、電気系統の接触不良などを引き起こします。走行中に突然エンジンが停止したり、ブレーキが効かなくなったりといった、重大な事故につながる不具合が発生するリスクを常に抱えている状態なのです。

「エンジンがかかったから大丈夫」は最も危険な誤解の一つです。見た目は乾いていても、見えない部分が深刻なダメージを受けている可能性を忘れないでください。

もしエンジンをかけてしまった場合は、それ以上動かさず、速やかに専門家であるディーラーや整備工場に連絡し、点検を依頼しましょう。

車の冠水、どこまで大丈夫かJAFの見解

ロードサービスのプロであるJAF(日本自動車連盟)も、冠水路の走行に対して強い警告を発しています。

JAFによると、乗用車が走行できる水深の目安は「ドアの下端」よりも低いレベルであり、それ以上になると車内に水が浸入したり、エンジンが止まったりする危険性が高まるとされています。また、アンダーパスなど水が溜まりやすい場所には絶対に進入しないよう呼びかけています。

JAFが実施したユーザーテストでは、水深60cmの冠水路に時速10km/hで進入したセダンが、わずか数メートルでエンジン停止し、ドアも開かなくなるという結果も出ています。(参照:JAFユーザーテスト

JAFの結論

JAFは「車が冠水した場合、どこまで大丈夫か」という問いに対し、基本的には「走行は避けるべき」というスタンスです。安全が確認できない道路は走行せず、危険を感じたら車を安全な場所に止めて、歩いて避難することを推奨しています。

冠水した車に乗れるかの判断はプロに

冠水した車に乗れるかの判断はプロに
ドメスティックカーライフ:イメージ

前述の通り、冠水した車に乗り続けられるかどうかを自分で判断するのは不可能です。

一時的に問題なく動いているように見えても、フロアマットの下やシート内部、電気配線の隙間など、見えない部分に大量の水分や泥を含んでいる可能性があります。これらはカビや悪臭の原因になるだけでなく、時間をかけて車全体を蝕んでいきます。

必ずディーラーや信頼できる整備工場に車を持ち込み、プロの目で徹底的に点検してもらう必要があります。点検の結果、修理費用が車両の価値を上回るほど高額になることも少なくありません。その場合は、修理を諦めて廃車や売却を検討することも賢明な選択です。

中古車購入時に役立つ冠水車の見分け方

中古車市場には、残念ながら冠水歴を隠して販売されている「水没車」も存在します。購入後にトラブルに巻き込まれないよう、見分け方のポイントを知っておくことが重要です。

冠水車のチェックポイント

  • シート下の状態:シートを一番後ろまでスライドさせ、シートレールの金属部分に不自然な錆や腐食がないか確認します。
  • 車内の臭い:エアコンをつけた時にカビ臭さや雑巾のような湿った臭いがしないかチェックします。消臭剤でごまかされている場合もあるため注意が必要です。
  • フロアカーペットの裏側:可能であればフロアカーペットの端を少しめくり、裏側に泥や砂の跡、シミがないか確認します。
  • シートベルトの確認:シートベルトを最後まで引き出し、根元部分に汚れやカビが付着していないか確認します。この部分は清掃されにくいため、冠水の痕跡が残りやすいです.
  • 電気系統の動作:パワーウィンドウ、オーディオ、ライト類など、全ての電気系統が正常に作動するか、一つひとつ丁寧に確認します。

これらのポイントに一つでも当てはまる場合は、冠水車である可能性を疑い、購入を見送るのが賢明です。

もし水没車を買ってしまった場合の対処法

もし水没車を買ってしまった場合の対処法
ドメスティックカーライフ:イメージ

万が一、購入した中古車が水没車であることが発覚した場合は、すぐに諦めずに行動しましょう。

まず、販売店に連絡し、契約内容の確認と今後の対応について協議することが第一です。もし販売店が「修復歴なし」として販売していた場合、それは「告知義務違反」にあたり、契約の解除や損害賠償を請求できる可能性があります。

販売店との交渉がうまくいかない場合は、第三者機関に相談することも有効です。

相談できる第三者機関の例

  • 国民生活センター・消費生活センター:消費者トラブル全般に関する相談を受け付けています。(局番なしの188
  • 自動車公正取引協議会:自動車の公正な取引を推進する団体で、相談窓口が設けられています。
  • 弁護士:法的な手続きが必要になった場合の最終手段として、法律の専門家に相談します。

購入時の契約書や整備記録簿などの書類は、重要な証拠となりますので、大切に保管しておきましょう。

車の浸水は保険でどこまで補償される?

車の浸水は保険でどこまで補償される?
ドメスティックカーライフ:イメージ

車の浸水被害は、加入している自動車保険(任意保険)の「車両保険」で補償される場合があります。

一般的に、台風や洪水、ゲリラ豪雨による水没は、車両保険の補償対象となります。ただし、ご自身の契約が「一般型」か「エコノミー型」かによって補償範囲が異なるため、確認が必要です。「エコノミー型」の場合、相手のいる事故に限定され、単独での水没事故は対象外となるケースがあります。

一方で、地震や噴火、およびそれらによる津波が原因の水没は、原則として通常の車両保険では補償されません。これらの損害をカバーするには、「地震・噴火・津波危険車両損害補償特約」といった特別な特約を付帯している必要があります。

保険を使用すると、翌年度の等級が下がり、保険料が上がることにも注意が必要です。修理費用と保険料の値上がり分を比較検討し、保険を使うかどうかを慎重に判断しましょう。


車の冠水、どこまで大丈夫かより避難が最優先

  • 冠水路の走行は極めて危険であり、絶対に避けるべき
  • 走行できる水位の限界はタイヤの半分以下が目安だが安全ではない
  • 車の床面やドアの下端まで浸水すると命の危険がある
  • 水圧でドアが開かなくなり車内に閉じ込められるリスクがある
  • ハイブリッド車や電気自動車は低い水位でも電気系統の危険性が高い
  • エンジンに水が入るとウォーターハンマー現象で致命的に壊れる
  • 冠水後にエンジンがかかっても、乗り続けるのは非常に危険
  • 見えない部分の腐食や錆が後から重大な故障を引き起こす
  • 冠水した車の状態判断は素人には不可能で、必ずプロの点検が必要
  • 中古車購入時はシートレールや車内の臭いなどで冠水歴をチェックする
  • 水没車を買ってしまった場合は販売店や消費生活センターに相談する
  • 車の浸水被害は「車両保険」で補償される場合がある
  • 地震や津波による水没は通常の車両保険では対象外
  • 「車はどこまで大丈夫か」と考える前に、安全な場所への避難を最優先する
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